【ITニュース】電子書籍の著作権問題
最近「自炊」という言葉をよく耳にします。
「料理を自分で作る」ではありません。
勿論本来はそうですが、IT業界で「自炊」とは、
紙媒体(書籍・雑誌)をスキャンし、データ化することを表します。
「自吸い」(自分でデータを吸いあげる)
という言葉から由来しているという説もあります。
何故この自炊が問題となっているか。
発端は電子書籍でのコンテンツ不足です。
AndroidタブレットのGalaxy Tabや、
iPad、Kindleなど本を読む端末が増えてきつつある中、
読む対象となる本がデータ化
されていないという現状があります。
そうなると、本末転倒ですよね。
本を読むために購入したタブレット端末で、
読みたい本が見つからない。
人はどうするかというと、
自分たちで手持ちの本を断裁、スキャンし、
PDF等電子化するという手法にいたるわけです。
現在では、専用スキャナーが販売されたり、
またはマンガ喫茶やTSUTAYAなどの店舗でも
独自の「自炊」サービスを実験的に開始しています。
マンガ喫茶のメディアカフェポパイ横浜駅西口店を
例にあげてみましょう。
まず利用者が書籍を持参することが前提ですが、
裁断機やスキャナーなど
自炊に必要な機器を貸し出しするサービスを
以下のような料金体系で組み立てています。
標準料金/最初の30分:360円
延長料金/10分毎:180円
3時間パック:1760円
6時間パック:2740円
TSUTAYAの一部店舗では、
1冊300円で自炊サービスを行っているようです。
「自炊」という言葉を検索するだけでも
沢山のキーワードが浮上します。
最初に目にするのは「自炊代行業者」。
中には、Amazonで注文した商品の
送り先をその業者先と指定し、
データ化してから購入者の手元に届く、
という仕組みまで出来上がっています。
一般ユーザーに向けて
「自炊入門ガイド」のサイトもありました。
この「自炊」問題、
出版社は「今後強化する」との方針を打ち出しています。
電子書籍が広まってきたことで
著作権、知的財産権などの
沢山の問題も浮かび上がってきましたね。
つまりは「権利」という目に見えない価値について
今一度、考える良い機会なのだと捉えることもできます
急速に流れる時代に
追いつくことが全てではなく、
誰しもが、冷静な視点を常に持っていたいものです。
そして、やみくもに規制を行うよりも
文化や知識、エンターテイメントの世界を守るために
一体何が有効なのかを、しっかりと考察していきたいですね!
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今週もお読みいただき、ありがとうございました。
シーティーエス株式会社