【7月第2週】「医療×AI」人工知能で変わる医療現場とは
AIが社会生活に与える影響が大きくなってきています。特に最近では医療分野でのAI研究・利用が報告され、動きが活発になってきていることが伺えます。今週は医療とAI利用に関する話題です。
AIで大腸がんを自動検知
従来は病変を検知するには経験と技術のある医師が内視鏡などによる肉眼で行っていました。しかしながら部位や病変によっては発見が困難なこともあります。この度、国立がん研究センターと日本電気(NEC)は、内視鏡検査時にAIを用いて大腸がんや大腸腫瘍性ポリープ(前がん病変)を自動検知するシステムを開発したと発表しました。
このシステムは、ディープラーニング(深層学習)を活用したAIで、独自のアルゴリズムで画像を高速処理し発見につなげるといいます。今回これを用いて約5000枚の新たな内視鏡画像を評価したところ、前がん病変としてのポリープと早期がんの発見率は98%に達したとのことで驚きです。
これがさらに学習・発展し、様々な病変やケースにも対応できるようになれば、医師の技術格差による見逃し防止や早期発見にもつながってくるのでしょうね。
『AIで大腸がん見つけるシステム、国立がんセンターとNECが開発』
(出典:2017年07月10日 ITmedia記事より)
Pepperとの会話で失語症が改善
リハビリテーション分野の臨床試験においてもAIを活用することで高い効果がでています。
ロボキュアは千葉大学との共同研究により、言語訓練用アプリ「ActVoice for Pepper」を活用した失語症者に対するリハビリの臨床試験において、有意な改善を確認したと発表しました。
約1年半の臨床試験において、病院内での訓練では4症例中3症例について、「ActVoice for Pepper」による訓練を実施した訓練語の正答率はいずれも改善がみられています。また、自宅での長期訓練についても、病院内における訓練で改善の度合いが少なかった1症例について、Pepperを自宅に置いて引き続き訓練を行った結果、改善が確認できています。
同社では
1.飽きやロボットに対する抵抗などもなく、ロボットを相手として継続的な訓練を実施できたこと
2.一般的には大幅な改善は困難と言われている、発症後6か月以上経過した慢性期の失語症者に訓練による改善がみられたこと
3.一度改善したA訓練語について訓練をやめると正答率が低下しており、効果を持続させるためには継続的な訓練が必要と考えられる
と、今回の訓練結果に注目しています。
『ロボキュア、Pepperと会話するリハビリ臨床実験で失語症の改善を確認』
(出典:2017年07月10日 C-NET Japan記事より)
また、AIが医療においてこうした有効性を示すなかで、マーケティングリサーチが行った調査(15歳~69歳の男女1,100名を対象)によると、将来AIやロボットに「置きかわってほしくない」医療系の職業は1位が「救急救命士」(52.1%)で、次いで「医師」(48.8%)という結果に。
あくまでもAIは診断・治療の精度を上げるための補助的役割としての発展を望む声が多いのも納得できます。人とAI・ロボットとの得手不得手領域による役割の住み分けが様々な問題解決につながってくるのでしょうね。
『医師は「AI」に置きかわってほしくないと思う人は5割、板前は6割』
(出典:2017.07.06 マーケティングリサーチ自主調査レポートより)
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