【6月第2週】ドローンの進化とセキュリティ対策の重要性
ドローンが様々な分野で活用されるなかで、その機体も日々進化しています。機能面のみならず安全性の向上も進む機体が続々と登場するなか、今後は機体のセキュリティ面を見据えた開発、運用も求められる動きになっています。
最新ドローン情報
■水空合体ドローン
KDDIとKDDI総合研究所、プロドローンの3社は、「水空合体ドローン」を世界で初めて開発し、5月31日に技術実証を完了したと発表しました。
今回開発したドローンは、ダム・港湾設備点検や水産漁場監視などにおける省人化・安全確保を目的としたもので、点検場所まで自律飛行する空中ドローン(親機)に、映像伝送および、音波での測位が可能な水中ドローン(子機)を搭載した合体型となっています。スマートドローンプラットフォームの活用により、船を出すことなく、点検場所まで自律飛行し、着水後に水中ドローンを分離、遠隔によって水中の点検が可能となります。
■物流ドローン
ACCESS、エアロネクスト、出前館、吉野家の4社は、神奈川県、横須賀市、横須賀市立市民病院、神奈川県立海洋科学高等学校の協力のもと、出前館のアプリで注文された吉野家の牛丼弁当を横須賀市立市民病院の医療従事者にオンデマンドでドローン配送する実証実験を実施したと発表しました。
今回の実証実験で使用したドローンは、アロネクスト独自の機体構造設計技術「4D GRAVITY」を搭載した物流専用ドローン。飛行部と荷物搭載部が分離した構造で、飛行性能、応答性能、着陸性能に優れ、物流用途に特化したものになっています。実験では、吉野家がキッチンカー(オレンジドリーム号)で調理した牛丼弁当を専用ボックスに格納し、出前館の配達員がドローン離陸地点の立石公園まで搬送。ドローンスタッフが専用ボックスを搭載したドローンを操作し、合計約5.2km(海上4.5km、陸上0.7km)の航路を約10分間飛行させました。
このように、ドローンは様々な分野・用途での社会実装が着々と進んでいます。
『KDDIら3社、世界初の「水空合体ドローン」を開発–水中の監視・点検に』
(出典:2021年06月10日 CNET Japan記事より)
『温かい牛丼、アプリ注文で医療従事者にドローンがお届け–ACCESSや出前館ら実証実験』
(出典:2021年06月10日 CNET Japan記事より)
ドローンのセキュリティ
前述のようにその分野に特化した様々なドローンが登場するなかで、取り沙汰される話題に安全性の問題があります。空を飛ぶものはドローンに限らず何かあれば必ず落ちます。当然、それを防ぐもしくは被害を最小限に留めるための機能実装であったり対策は必要となってきます。さらに昨今では機体のハッキング・乗っ取りであったり、内部情報やそれらに紐づく各種重要情報の流出にも気を配る必要性が出てきています。
そんななか、セキュアドローン協議会は、ドローンの安全な利活用における指標などを示した「ドローンセキュリティガイド」の第2版を公開しています。このガイドは、産業用ドローンにおけるセキュリティを確保した操作環境やデータ送信環境を確立するための指針をまとめたもので、第2版では、機体メーカーや関連サービス事業者、利用者のそれぞれが実施すべきセキュリティ対策の要件について解説しています。
「ドローンセキュリティガイド」
今後もドローンの飛行性能は向上していくでしょう。しかし、取得できる画像や各種データの精度が向上すればするほど、セキュリティの脅威も増していきます。産業用はもちろん、警備・防災などの重要インフラにおいてドローンを活用していくためには、ドローンの飛行技術の進歩に加えて、いかに情報セキュリティを確保しながらドローンを安全に飛行・運用しデータを活用していくかが鍵となってきています。現在海外製(特に中国)ドローンが圧倒的シェアを占めるなか、情報セキュリティの面からも純国内産ドローンに期待です。
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