最新フィッシング状況/SNS型投資詐欺が社会問題に
昨今大きな社会問題として取り上げられることの多い著名人をかたるなりすまし投資広告ですが、これだけ話題になってもまだその被害は跡を絶ちません。また、転機となるシーズンごとにはそれに便乗した巧妙なフィッシング詐欺も横行しますので注意が必要です。
2024年4月のフィッシング状況
フィッシング対策協議会による2024年4月のフィッシング報告件数は106,757件となり、2024年3月と比較すると 9,594件、約9.9%増加しました。フィッシングに悪用されたブランド件数 (海外含む) は、前月より5件増加し、92件となっています。また、今回の報告内訳では、東京電力をかたるフィッシングの報告が急増し、報告数全体の約19.5%を占めました。同協議会によると、移転シーズンを狙ったと思われる電力会社、ガス会社、水道局をかたって未納料金支払いを求めるフィッシングメールが増加したことが要因との見方をしています。
その他では、クレジットカードの利用通知や月額請求のお知らせ、不正利用やログイン試行による利用制限の通知と本人確認依頼、メルマガや注意喚起など、本物メールをコピーしたと思われるような文面とデザインで送られてくるフィッシングメールも増えています。これらは送信ドメイン認証により正規メールにのみ表示されるロゴ、アイコン、マーク等や S/MIME による電子署名がなければ判別が困難になっているとのことです。
また e-Tax (国税電子申告・納税システム) をかたるフィッシングが 3月以降急増しており、今後も注意が必要です。「税務署からのお知らせ【宛名の登録確認及び秘密の質問等の登録に関するお知らせ】」「税務署からのお知らせ【e-Tax個人アカウントの登録確認に関する重要なお知らせ】」といった件名のメールから偽のサイトに誘導するものです。同協議会では、こうしたフィッシングメール対策には迷惑メールフィルターが有効であるとしています。ほとんどのメールサービスでは迷惑メールフィルターが利用できるので、大量のフィッシングメールが届いている場合は、迷惑メールフィルターの設定が有効になっているか、確認しましょう。
『2024/04 フィッシング報告状況』
(出典:2024年05月17日 フィッシング対策協議会より)
『国税庁をかたるフィッシング (2024/05/22)』
(出典:2024年05月22日 フィッシング対策協議会より)
SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺が増加傾向
警察庁では、2024年1月〜3月における、SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の認知件数および被害額が、前期や前年同期に比べて大幅に増加しているとして注意を呼びかけています。
「SNS型詐欺」とは、SNSなどを通じたやりとりで、対面することなく関係を深めて信用させたうえで、金銭などをだまし取る詐欺のことです。「SNS型投資詐欺」は投資のための資金や投資利益の出金料の名目で、「SNS型ロマンス詐欺」は恋愛感情や親近感を抱かせたうえで、それぞれ金銭などをだまし取るものです。
警察庁が発表した、2024年1月〜3月における全国の都道府県警察が認知したSNS型投資・ロマンス詐欺の検挙状況についてまとめた資料によると、2023(令和5)年1月〜2024(令和6)年3月の両詐欺の認知件数と被害額の推移はいずれも2023年後半から増加を続け、特に投資詐欺については、2024年に入って大幅に増加していることが確認できます。
2024年1月〜3月の期間における、SNS型投資詐欺の認知件数は1700件で、被害額は約219.3億円。SNS型ロマンス詐欺の認知件数は603件で、被害額は約60.6億円。1件あたりの平均被害額は、SNS型投資詐欺が約1300万円、SNS型ロマンス詐欺が約1000万円となっています。被害者の年齢・性別を見ていくと、SNS型投資詐欺では、男女とも50〜60代が最も多く、この年代だけで全体の50%を超えています。男女別では男性の方がやや多い状況です。SNS型ロマンス詐欺では、男性は50〜60代の合計で50%を超えています。女性は40代が最多で、40〜50代の合計で50%を超えており、男女別では、男性の方が6割と多いという状況です。
被害者との当初の接触手段としては、SNS型投資詐欺はバナー広告が約半数、SNS型ロマンス詐欺はダイレクトメッセージが6割以上を占めています。現在特に著名人をかたるなりすまし投資広告が社会問題にもなっています。著名人だからとか上手い儲け話だとかいう広告や誘いにはくれぐれもご注意ください。
『令和6年1月〜3月におけるSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について』
(出典:警察庁より)
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