マイナンバーカードが益々便利に!一方でそのリスクも…
先月末にマイナンバー法改正案が可決され、2024年秋には健康保険証が廃止となりマイナンバーカードに一本化される流れとなりました。今後あらゆる行政手続きなどでも便利になる一方で様々な問題も懸念されます。
マイナンバーカードと健康保険証一体化
4月27日、健康保険証を廃止しマイナンバーカードに一本化することなどを盛り込んだ、マイナンバー法改正案が衆議院で可決されました。成立すれば、2024年秋に健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに一本化されることになります。とはいえ保険証廃止後も、最長で25年秋まで既存の保険証は利用できるとのことです。
また、マイナンバーカードの電子証明書機能をスマートフォン単体で利用できるサービスも5月11日より開始(Android端末のみ)されました。5月9日のデジタル大臣による発表で、開始されたマイナンバーカードのAndroidスマートフォンへの搭載について、各サービスの対応時期を説明しています。これによると、5月11日以降はマイナンバーカードを読み込まなくても、対応するAndroidスマートフォン単体でマイナポータルにアクセスすることが可能になるとのことです。
その後、5月中にも、銀行口座開設や携帯電話の契約、キャッシュレス決済の申し込みなど、民間サービスにおけるマイナンバーカードを用いた本人認証も、物理カード不要で利用できるようになります。今回カードと一本化された「マイナ保険証」をスマートフォンで利用できるサービスの開始は「2024年4月の開始を目指す」としています。
『健康保険証廃止、マイナ保険証に一本化する、マイナンバー法改正法案衆院可決』
(出典:2023年04月27日 ITmedia記事より)
『スマホが健康保険証に、24年4月めどに開始–河野大臣が表明、マイナカードのスマホ搭載活用』
(出典:2023年05月09日 CNET Japan記事より)
情報一本化の問題点・リスク
今回のマイナンバー法改正によりマイナンバーカードへの情報一本化の流れが加速するわけですが、当然多くの問題もあります。
個人の様々な情報が統合されることで、プライバシーの侵害や個人情報漏洩のリスクが高まる可能性があります。また、それに伴うシステムの統合や相互運用性の確保が必要であり、それには膨大な作業とコストがかかる可能性と、そのその過渡期においては多くの不具合や利便性の低下が発生する恐れもあります。
なかでも一番の懸念は高齢者・情報弱者などの方々への影響です。デジタル化に馴染みのない人々など、マイナンバーカードの利用に制約がある人々にとって、その変化への対応は非常に困難であり、サービスの利用が制限されることになります。こうしたことからも、マイナンバーカード一本化の導入や実施にあたっては慎重に検討される必要があります。
また、マイナンバーカードの電子証明書機能をAndroid端末に搭載できるようになったことを受け、ヤフーが運営するオークションサイト「ヤフオク!」は、中古スマートフォン出品の際、事前にスマホ用電子証明書の失効手続きを行うよう注意を呼びかけています。スマホ用電子証明書は、端末の初期化だけでは削除できず、マイナポータルアプリから失効申請を行う必要があります。マイナカードの電子証明書機能を使っていたスマホを出品する際には、必ずこの手続きを行う必要があるとのことです。
すべての個人情報が紐付けられて一本化されることは非常に便利な反面、その分のリスクも大きくなるということを我々も十分理解したうえで利用していかなければなりません。
『ヤフオク「中古スマホ出品時、マイナ証明書失効を」初期化だけでは消えない』
(出典:2023年05月16日 ITmedia記事より)
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