【2月第4週】「情報セキュリティ10大脅威」と2月のセキュリティ被害
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が1月末に発表した「情報セキュリティ10大脅威 2019」。個人・組織における脅威のランキングを公開していましたが、2月28日に各問題に対する具体的な解説や資料を新たに追加掲載しました。2月も深刻な脆弱性やフィッシング詐欺に関するニュースが世間を騒がせており、今週のIT・保守サポートの日誌ではこの10大脅威に照らしあわせながら2月に発生した被害事例を紹介いたします。
増え続けるフィッシングによる個人情報の窃取
IPAが公開した「情報セキュリティ10大脅威 2019」は、2018年に社会に大きな影響を与えたセキュリティ上の脅威について「個人」「組織」向けに分けて、順位づけをおこないました。以下がそのランキングです。(出典:「情報セキュリティ10大脅威 2019」)
今回初めてランクインした脅威は、個人4位の「メール等を使った脅迫・詐欺の手口による金銭要求」、組織では4位の「サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃の高まり」となっています。個人の1位では、2018年非常に被害の件数が多かった「クレジットカード情報の不正利用」で、2位の「フィッシングによる個人情報等の詐取」にも挙げられるように、フィッシング詐欺が横行し個人情報を窃取される被害が後を絶ちません。
フィッシング対策協議会の報告によると、Amazon(2/18)、三井住友カード(2/19)、Paypal(2/28)を騙るフィッシングメールが出回りました。具体的なメールの本文や遷移先のページなども画像にて公開されていますが、精巧に作られており本物と見間違うかのような内容です。類似のフィッシングサイトは増える可能性もありますので、絶対に個人情報を入力しないよう注意をしてください。
Amazonをかたるフィッシング
(出典:2019年2月18日 フィッシング対策協議会記事より)
三井住友カードをかたるフィッシング
(出典:2019年2月19日 フィッシング対策協議会記事より)
脆弱性に関する情報にはご注意を
次いで、組織において注意したいのが「脆弱性」の問題です。8位「IoT機器の脆弱性の顕在化」とあるように、脆弱性を狙った攻撃はウィルスの感染を拡大させたり不正サイトに誘導させたりするなど被害をさらに拡げてしまいます。そして9位に挙げられた「脆弱性対策情報の公開に伴う悪用増加」では、脆弱性が公開された上で修正プログラムパッチ)を適応していない利用者に対して攻撃を行う事例も増えました。以下の事例が該当します。
脆弱性判明後、「Drupal」調査アクセスが増加 – 攻撃対象を探索か
(出典:2019年2月26日 Security NEXT記事より)
コンテンツマネジメントシステムの「Drupal」に深刻な脆弱性が見つかったニュースが公開されたのち、脆弱なシステムの探索行為とみられるアクセスが確認されています。以前は「Drupal」のバージョン調査に関するアクセスは1日に数件ほどしか観測されなかったものの、脆弱性判明後は1日あたり200件近いアクセスがあったということで、このような被害を受けないためにも脆弱性に対していかに迅速に対応するかが重要となります。
継続してセキュリティ対策を実施しましょう
「情報セキュリティ10大脅威 2019」ではランキング形式で脅威を紹介していますが、資料の中でこのようにも述べています。
・順位が高いか低いかに関わらず、自身または組織が置かれている立場や環境を考慮して優先度を付け、適切な対応を取る必要がある。
・ランク外の脅威だから対策を行わなくて良いということではなく、継続しての対策が必要となる。
資料はこちらのページからダウンロードすることができます。社内へのセキュリティ啓発ツールの一つとして活用し、個人・組織ともにセキュリティ被害を低減していきましょう。
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今週も「IT・保守サポートの日誌」をお読みいただき、
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