【2月第4週】進化するIoT/ICT技術 ー クルマからトイレまで
最近話題にのぼったセキュリティ関連のニュースを取り上げます。
すべてのモノ・コトがインターネットにつながる「IoT」時代。各種機器やインフラを通じたユーザーニーズ・満足度を高めるうえで、IoTを活用することが不可欠になりつつあります。
日本でも各社様々な機器やサービスを展開しておりますが、当然そのセキュリティも重要課題として取り上げられることが多くなっています。わが国でも総務省が「IoTサイバーセキュリティ アクションプログラム2017」を1月に発表したところです。
今週取り上げるのはIoT/ICTのそう遠くない未来にかかわる話題となります。
ついにトイレまでクラウド化
ここまできたか、と思われる方も少なくないかと思いますが、ついにトイレもインターネットにつながる時代です。
2月20日にKDDIが発表したのは、「KDDI IoTクラウド 〜トイレ空室管理〜」と 「KDDI IoTクラウド 〜トイレ節水管理〜」サービスの2種類。前者は、トイレの個室にIoT技術を活用し、スマートフォンから空き状況をリアルタイムに閲覧できるサービスです。利用者はトイレの空室を探す時間や空室待ちの時間を減らすことが可能になるといいます。
また、本データを活用することでトイレの利用実態把握や清掃タイミングの最適化がはかれるとし、運用面での効率化も見込めるとしています。
おそらく想定される場所としては駅や空港などの公共施設やオフィスビル、デパート、アミューズメントといった商業施設などでしょうが、本技術はそのまま様々な分野にも応用が効きそうですね。あとは、そのアプリを利用するうえでの位置情報や各種個人情報との紐付け(セキュリティ)が心配されるところです。
『「KDDI IoTクラウド 〜トイレ空室管理〜」と 「KDDI IoTクラウド 〜トイレ節水管理〜」の提供を開始』
(出典:2017年2月20日 KDDIニュースリリースより)
クルマの自動運転技術の未来は?
一方でより現実に近づいてきた自動車の自動運転技術ですが、東京オリンピックをひかえた日本では「自動運転NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration)の5段階定義を採用しており、内閣府の発表した研究開発計画によると、2020年には「東京の発展と高齢化社会を見据えた、わが国の次の世代に資する次世代交通システム(ART:Advanced Rapid Transit)等を実用化する」としています。
【NHTSAが定義した自動運転レベル】
レベル0:非自動化
レベル1:一部機能の自動化
レベル2:複合機能による自動化
レベル3:限定的な自動運転化
レベル4:完全自動運転車
また、それに付随するスマートフォンアプリなどを介した便利なサービス・機能も増えています。
主に利用されている機能としてはドアの解錠で、車の発進機能も多くのアプリが備えているようです。とはいえ、利便性を追求する反面で置き去りにしてはいけないのが、セキュリティ問題。
セキュリティ企業Kaspersky Labでは同社のブログでこういったアプリにおける以下のような弱点を指摘したうえで、
・アプリのリバースエンジニアリングを阻止する機能がない
・コードの完全性がチェックされない
・Root化を検知する技術がない
・オーバーレイ表示を防げない
・ログインIDとパスワードが平文で保存されるこうした弱点の悪用に成功すれば、車をコントロールできるようになり、ドアを解錠したり警報器の電源を切ったりするのはもちろん、理論上、車を盗むことも可能になります。
とコメントしています。
『自動車向けAndroidアプリ:安全性は大丈夫?』
(出典:2017年2月22日 Kaspersky Labブログより)
幸い、現時点においては自動車のハッキング被害は報告されていないようですが、IoT機器をターゲットとした攻撃が世間で騒がれるなか、自動車がいつマルウェアなどの攻撃の対象となるかはわかりません。
セキュリティにかかわる整備が過渡期であるいま、IoTサービスや機器を利用するわれわれが、しっかり判断・吟味することが重要なのかもしれませんね。
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今週も「IT・保守サポートの日誌」をお読みいただき、
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