Googleの最上位の会話型AI発表とフェイク・改ざん対策強化
この度Googleが高性能かつ最大のAIモデルを搭載した対話型AIを正式発表しリリースしました。同時にメディアコンテンツの出所確認技術推進を取り組む団体「C2PA」への参加も表明し、ますます安全で透明性のある生成AIの社会実装が加速しそうです。
Google最高性能の対話型AI「Gemini Advanced」発表
Googleは、対話型生成AI「Bard」を「Gemini」へ名称変更し、最上位の会話型AI「Gemini Advanced」を発表しました。「Gemini Advanced」は、高性能かつ最大のAIモデルであるUltra 1.0 モデルを搭載し、コーディングや論理的推論、ニュアンスを含んだ指示の理解、クリエイティブなプロジェクトでの共同作業など、複雑なタスクの能力が大幅に向上しています。
Gemini Advancedでは、より長く、より詳細な会話が可能になるだけでなく、以前に質問したコンテキストに基づいた質問への理解能力も向上しているといいます。そのほか、アイデア作りや多様なコーディングアプローチの評価に活用したり、新しいコンテンツの生成、トレンドの分析、オーディエンス拡大に向けた改善方法などのブレインストーミングなど、クリエイターのアイデア実現の手助けにも活用できるとしています。
Gemini Advancedは、「Google One AI Premium Plan」として利用可能で、日本では月額2900円(当初は英語のみだが順次日本語にも対応する予定)、2カ月の無料トライアルも実施しています。2TBのクラウドストレージなど、既存の「Google Oneプレミアムプラン」のすべての特典も付属します。さらに、近日中に AI Premium Plan の加入者は、Gmail、Google ドキュメント、Google スライド、Google スプレッドシートなどで Gemini for Workspace ( 旧名称 Duet AI) を使えるようになるといいます。同時にAndroid で新しいGeminiアプリとiOSのGoogleアプリで、GeminiとGemini Advancedの提供も開始されています(英語版のみ)。
『Bard から Gemini へ:Ultra 1.0 とGemini アプリを発表』
(出典:2024年2月8日 Google Blogより)
Googleが「C2PA」に参加発表
今回の生成AI「Gemini Advanced」の正式リリースにと同時に、Googleは「Coalition for Content Provenance and Authenticity(C2PA)」の運営委員会にメンバーとして参加したことを発表しました。C2PAとは、2021年にMicrosoftとAdobe Systems、ARM、BBC、Intel、Truepicの6者が立ち上げた団体で、出版社、クリエイター、消費者にさまざまな種類のメディアの起源を追跡する能力を提供するオープンな技術基準です。
この技術を利用することで、作成者や来歴情報をメディアファイル内に保存して、メディアコンテンツの出所確認が可能になります。撮影データを画像ファイルに組み込むExifは情報の編集が可能で内容を保証する仕組みは持っていませんが、C2PAでは由来・履歴から真正性を判断することができます。改ざん対策としては、公開鍵暗号基盤を使用し、認証局で管理します。設立メンバーのTruepicが開発したSDKでアプリケーションに組み込めば、標準的なカメラアプリを使うのと同じように使えるといいます。
【C2PAの取り組み】
・CAI、Project Origin、その他のパートナー組織から通知されたワークフロー要件の文書化
・コンテンツ出所仕様の開発にこれらの要件を適用する
・これらの基準を適用するためのベストプラクティスとリファレンスデザインを開発する
・選択された仕様を世界標準に推進する
・デジタル出所技術の世界的な採用を促進する
・ソーシャルおよびメディアプラットフォームによるデジタル連合の仕様と基準の採用の促進
・デジタル出所技術を適用しても、コンテンツが引き続きアクセスできるようにする
C2PAのチェアマンであるアンドリュー ジェンクス(Andrew Jenks)は、今回のGoogleの参加について次のように述べています。
「人々の意思決定を支援する、デジタルコンテンツへの透明性のあるアプローチは、これまで以上に重要になっています。C2PA規格は疑いなくこの活動における役割をリードし、私たちはその成長と普及に胸を躍らせています。Googleの運営委員会への参加は、C2PAのアプローチにおける重要な証明となります。私たちは、他の企業や団体にも、コンテンツクレデンシャル機能の利用拡大、そしてより安全で透明性のあるデジタル・エコシステムの創造に貢献するC2PA運営委員会への参加を期待しています。」
デジタルコンテンツの真正性を高めるための対策として、今後もより安全で透明性のある技術基準を推進してくれることでしょう。
『GoogleがC2PA運営委員会に参加』
(出典:2024年2月8日 アドビ株式会社プレスリリースより)
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