【2月第2週】違法ダウンロードの対象拡大における、私たちへの影響
スマートフォンやPCで情報を収集しているとき、あるいは何か気になった内容のメモをとるときに便利なのが「スクリーンショット」機能。簡単な操作で画像として保存できるので、多くの方が利用された経験があるかもしれません。それが今後、違法になる可能性があるという話題です。
著作権が侵害された「静止画」も対象に
昨今の漫画の海賊版サイトの被害が問題となっている中で、2月13日「スクリーンショットでも著作権を侵害していれば違法になる」という著作権法の改正案が文化庁の文化審議会著作権分科会で了承されました。私たちの日常生活に具体的にどのような影響が出るのでしょうか。
これまでの著作権法では、ダウンロードでは音楽と映像に限って違法と規定していました。しかし本改正案が通ると、著作権が侵害された静止画も対象となる形となり、著作権侵害だと知りながら画面のスクリーンショットを行うこともダウンロード行為の一種に含まれ、違法となります。
本来は漫画家や創作者、研究者を守るための著作権法。
しかしながら著作者自身から本改正案に対して懸念の声も上がっています。
例えばグレーゾーンとして扱われてきた二次創作は、今回の法改正によって活動が萎縮してしまい、原作者と二次創作者のコミュニティが失われてしまう。イラストレーターにとっては、アイデア収集のためのイラスト画像を保存できない場合が生じてしまう。研究者にとってはSNSや論文も対象となるので研究活動に影響が出てしまうなど…。
実際に2012年において映画と音楽の違法ダウンロードに関する法改正があったものの、その後刑事罰化された例はなかったといいます。
『「意味のない法改正」「イラスト界が壊滅する」 違法ダウンロード対象拡大で漫画家らが“反対集会” 』
(出典:2019年02月08日 ITmedia記事より)
侵害されたものであるかどうかの判断は難しい
ただ、企業が公式で掲載しているHPや画像、他人が投稿した画像などを私的利用の場合において、ダウンロード・スクリーンショットをすることは問題ありません。違反となるのは海賊版サイトなどで「著作権が侵害されたものであると知りながら」という点です。
しかし「侵害したものであるかどうか」の判断が難しく、多くの人はそこまで意識して情報収集をしていないのではないでしょうか。そのほかにも以下の問題点が指摘されています。
・被害者であるはずの漫画家自身が難色を示している
・影響範囲が大きく、ネット利用者の多くに混乱を招いている
・特定のダウンロード行為に対し、合法か違法かを判別する条件が複雑すぎる
・そもそもアップロードされているコンテンツが合法か違法かの判別が難しい
・「違法と知りながら」の証明が事実上できない
・漫画村のようなストリーミング方式のサイトには効果がない
・12年の法改正以降も摘発例はなく、今回の案も実効性がない可能性がある
文化庁では通常国会にこの著作権法改正案を提出する予定で、早ければ来年から施行される見込みです。全ての創作者に影響が出るこの方針、まだまだ十分に議論を尽くす必要がありそうです。
『「スクショもNG」で広がる混乱、合法と違法の線引きは? “違法ダウンロード対象拡大”の問題点』
(出典:2019年02月14日 ITmedia記事より)
>> IT管理のアウトソーシングならシーティーエスにおまかせください
*********
弊社では、保守サービスやサポートに関する
facebookページを立ち上げています。
セキュリティの問題や脆弱性の情報を
毎日ピックアップして掲載しておりますので
よろしければお立ち寄りください。
ITサポート&サービス情報局【CTS】facebookページ
http://www.facebook.com/ITsupport.service
今週も「IT・保守サポートの日誌」をお読みいただき、
ありがとうございました。
シーティーエス株式会社 ブログ担当スタッフより