災害時の通信インフラ設備最新情報
最大震度7を観測した能登半島地震の被災地では、未だ完全復興の目処が経たない状況が続いています。そんななかでも非常に重要なライフラインとなるのが通信です。その復旧状況と注目の通信インフラをご紹介します。
携帯各社通信インフラ復旧に全力
令和6年能登半島地震による停電および伝送路支障など影響により、携帯電話サービスが利用できない状況、またはご利用しづらい状況が続いていました。そんななか携帯電話各社ではその復旧に全力を注いでいます。
KDDIは、衛星ブロードバンドサービス「スターリンク(Starlink)」を避難所などに無償で提供しています。石川県と総務省の要請を受けて実施するもので、KDDIはスペースXの日本法人であるStarlink Japanと協力して展開します。7日には、350台のStarlink端末が石川県県庁舎に運び込まれ、避難所においてスターリンクを使ってWi-Fi環境を構築。au以外の携帯電話会社のユーザーでも、無料でネットを使えるようになっています。また、ソフトバンクでも、石川県内の被災地に衛星ブロードバンドサービス「スターリンク(Starlink)」の無償提供を開始しています。
そのほかにも各社「有線給電ドローン無線中継システム」や「船上基地局」なども導入し被災地における通信機能の確保を進めています。今回のような災害においてはこうした地上の固定インフラ設備に依存しない通信システムが非常に有効な役割を果たしています。
『能登半島の避難所に衛星通信「スターリンク」無償350台、KDDIとスペースX』
(出典:2024年1月7日 ケータイWatch記事より)
『ソフトバンクも被災地に「スターリンク」 能登半島地震』
(出典:2024年1月7日 ケータイWatch記事より)
「スターリンク」とは
さて、前述の被災地通信復旧に貢献している「スターリンク(Starlink)」とはいったいどういったものなのでしょうか。「Starlink」は、X(旧Twitter)で注目を浴びるイーロン・マスク氏が率いるSpaceX社が提供している人工衛星を使った通信サービスです。
「Starlink」の主要な衛星の高度は550kmくらいで、衛星軌道の速度は約7.5km/s、約1時間半で地球を一周する計算です。しかし1つの衛星がカバーできる範囲は狭くなため、Starlinkでは数千基の衛星を打ち上げ、いつでもどこでも使えるようにしています。
そしてこのサービスの最大のメリットは、Starlinkアンテナを置くための開けた場所さえあればインターネットサービスを利用できることにあります。基本的にデータは無制限に利用できますが、当然ネットワーク混雑時や利用が集中する時間帯には、速度や性能が低下する場合があるとされています。
基本的に個人でこの「Starlink」のサービスを利用するには、ハードウェアの購入と、月々の通信料の支払いが必要になります。ハードウェアの価格は5万5000円で、「Starlink」のサービスサイトやコストコで販売されています。衛星アンテナの室外機とWi-Fiルーターの室内機、この2つのデバイスで構成されており、室外機は空が見える屋外に設置する必要があります。室外機と室内機を付属の専用ケーブルで繋ぎ、室内機に電源を繋ぐことで通信できるようになります。
このように、衛星を使った本サービスにおいては、災害時はもちろん、今後特に離島や山間部などのエリアにおけるインターネットサービスとして非常に有効な通信インフラとなってくるでしょう。
『Starlink』
『Starlink(au)』
『Starlink Business(ソフトバンク)』
『コストコオンラインショップ』
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