世界的な影響も!「Apache Log4j」脆弱性問題
最近世界的に問題となっているのが、Java向けのログパッケージとして広く利用されている「Apache Log4j」の脆弱性です。そしてこの脆弱性をついたサイバー攻撃が広く観測されており、その対策が急務となっています。
「Apache Log4j」脆弱性の影響
今回話題となっているJava向けのログパッケージであるApache Log4j上に存在する脆弱性は、2021年11月24日にApache上での存在が非公開で報告され、2021年12月9日にLog4jのバージョン2.15.0において、修正パッチが適用されました。この脆弱性は、細工したログメッセージを送信することで任意のコード実行が可能になります。すでにCVE-2021-44228として採番され、「Log4Shell」という名前が付けられています。
そしてこの脆弱性は、アプリケーションにlog4jライブラリを組み込んだ製品すべてに影響を与えることから、今後も被害が拡大していく可能性があります。一例では、Apple iCloud、Steam、Samsung Cloud storageなどの大手のインターネット企業の製品が含まれており、その他にも数千にのぼる製品やサービスが脆弱な状態である可能性があり、世界的な問題となっているのです。
日本国内においては、警察庁が12月14日、全国の警察施設のセンサーで観測した攻撃数のグラフを公開しています。警察施設のインターネット接続点に設置したセンサーで、脆弱性をついた攻撃のアクセスを観測し、1センサー当たりの平均の推移をグラフに示したものです(1時間ごとに更新)。この警察庁のセンサーでも、日本時間10日から攻撃を観測し、警戒を呼び掛けています。
『Javaライブラリ「Apache Log4j」の脆弱性(CVE-2021-44228)を標的とした攻撃の観測について』
(出典:2021年12月14日 警察庁より)
攻撃の影響と対策
攻撃者が脆弱性の悪用に成功すると、lookup機能に含まれるURLの内容に応じて、サーバが文字列を解釈します。その結果、Javaクラス、JavaScript、Unixシェルなど、さまざまな形式の任意のシェルコマンドが実行される可能性があります。トレンドマイクロによると、現在攻撃者がボットネット「Mirai」の亜種やコインマイナー「Kinsing」を脆弱なサーバに投下する攻撃が確認されています。考えられる被害の影響範囲としては、以下の2点が挙げられます。
・リソースがハイジャックされる被害
・ネットワークサービス拒否(DoS)攻撃による被害
また、この脆弱性を利用して、機密情報を窃取する機能を備えたマルウェアKirabashなどがダウンロードされる可能性もあります。今回確認された攻撃は主にHTTPを介して実行されていますが、ユーザがLog4jを利用して記録した入力データにおけるプロトコルを介して脆弱性が悪用される可能性があることから、トレンドマイクロでは、「Log4j 2.15.0」へのアップグレードを強く推奨しています。また、米国土安全保障省(DHS)傘下のサイバーセキュリティ諮問機関・CISAでも、連邦政府機関に対して、12月24日のクリスマスイブまでにパッチを適用するよう指示しています。
このように世界的な危機対策に及んでいる「Apache Log4j」脆弱性ですが、各種関連製品・サービス提供事業者は速やかな対応が望まれます。
『Apache Log4jの脆弱性「Log4Shell」を悪用する攻撃手口を解説』
(出典:2021年12月15日 トレンドマイクロより)
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