【12月第3週】ドローンの未来と規制強化で相反するジレンマ
ドローンは空撮、測量、点検などにも広く使われており、最近では警備活動にも使われるようになってきました。一方で、東京オリンピックを間近に控え、ドローン飛行の規制強化策が決定しています。そんな折、イギリスではドローンによる深刻な事件が発生しています。
ドローンで不審者を逃さない
12月4日、ニューヨーク市警は防犯のためにドローンの本格運用をはじめたという報道がありました。事故や犯罪現場の状況記録や野外コンサートなどの大規模イベントでの交通監視などに活用する計画で、パトロールや交通規制などには使わないとしています。そんななか、我が日本でもこの度、KDDI、テラドローン、セコムの3社は、埼玉スタジアム2002で、モバイル通信ネットワーク(4G LTE)に対応し、AIによる人物検知機能を搭載した自立飛行型の2機の「スマートドローン」による広域警備の実証に成功したと発表しました。
今回の実証実験は、高高度で広域を監視する1機のドローンが、4Kカメラと人物検知機能により、スタジアムにいる不審者を自動で検知するというもの。さらに、割り出した位置情報を運航管理システム経由で指示することで、低高度で巡回監視するもう1機の「巡回ドローン」を不審者のもとに自動で急行させ、不審者を追跡することが可能です。もちろん、ドローンの映像は、管制室からリアルタイムで確認でき、発見した不審者の位置に警備員を急行させることもできます。
このようなシステムは、大規模イベントなど、より広域での警備に加え、設備点検や災害対策など、ドローンの活躍が期待される他分野への活用も可能になるとしています。監視カメラ映像だけでは捉えにくい環境でも的確に防犯できるドローンシステムは今後も大いに期待できますね。
『2台のスマートドローンが上空から、近距離から、不審者を追い詰める!』
(出典:2018年12月19日 ITmedia記事より)
ドローンへの規制拡大も
上記の防犯利用の一方で、同じくドローンを使った犯罪も今後想定されます。東京オリンピックを控えて、政府でも大会期間中とその前後に限って会場周辺や主要空港での小型無人機(ドローン)の飛行を原則禁止する方針を決めています。同時に、ドローン飛行禁止法の対象施設を自衛隊や在日米軍の施設にも広げる見通しです。
特に、各国選手団の到着などで注目が集まる空港は、国土交通相が指定する空港周辺の飛行を原則禁止し、管理者の同意があれば認める。羽田・成田両空港をはじめ、W杯は8〜11空港、五輪は6〜7空港を対象として検討中とのこと。
しかし、こうしたドローン規制報道の中、先日イギリスにおいて悪質なドローンによって空港滑走路が閉鎖されるという前代未聞の事件が起きてしまいました。BBCによると、ロンドン近郊のガトウィック空港は現地時間12月19日午後9時頃、ドローン2機が飛んでいるのが見つかったことを受け、滑走路を閉鎖したといいます。その後も一度は再開するものの再度ドローンが確認されたとのことで長時間にわたり混乱をきたす事態に。
空港側は「意図的とみられる行為によって、1年でこの重要な時期の移動が影響を受けることを非常に残念に思う。滑走路の再開が許可された時点で運航を復旧できるよう、航空会社とともに計画の整備に力を尽くしている」と表明しています。
このように、ドローンは使用者(操縦者)次第で便利な道具にもなり、あるいはただ飛ばすだけで容易に犯罪やテロの道具にもなり得ます。また、意図しなくても整備不良や知識・操縦技能不足によっても大きな事故につながる可能性もあります。ドローンの未来のためにも、ドローンを扱う方々はくれぐれも法令・マナー・安全知識・技量をしっかりと身につけ正しい方向に運用するようにしたいものですね。
『東京五輪会場、ドローン原則禁止 自衛隊や米軍施設にも拡大へ』
(出典:2018年12月20日 毎日新聞記事より)
『英ガトウィック空港の滑走路が閉鎖–ドローン侵入で』
(出典:2018年12月21日 CNET Japan記事より)
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