2016年度情報セキュリティに対する意識調査

 
独立行政法人情報処理推進機構では、毎年パソコンおよびスマートデバイス利用者を対象に、情報セキュリティ対策の実施状況、情報発信に際しての意識、法令遵守に関する意識についてアンケートを実施・集計しています。先日、2016年度集計が発表されましたので一部ご紹介いたします。
 
『「2016年度情報セキュリティに対する意識調査」報告書について』
（出典：2016年12月20日独立行政法人情報処理推進機構記事より）
 
【調査概要】＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
(1)　調査方法　　：　ウェブアンケート
(2)　調査対象　　：　13歳以上のパソコンおよびスマートデバイスのインターネット利用者
(3)　調査期間　　：　①情報セキュリティの倫理に対する意識調査：2016年9月21日～9月27日
　　　　　　　　　　 ②情報セキュリティの脅威に対する意識調査：2016年10月6日～10月12日
(4)　有効回答数 ：　パソコン：5,000人、スマートデバイス：5,000人
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今回発表された内容で注目すべきポイントは以下の通りです。
 

(1)悪意ある投稿者の自戒・自省感が減少。
(2)“SNSで性的な写真や動画を撮影・投稿する”事に問題があると思う割合は過半数以下に減少。
(3)“パスワードは誕生日など推測されやすいものを避けて設定している”割合は年々減少。
(4)全体平均より10%以上低い20代の投稿時の心がけ（マナー）。全体平均でも経年で悪化傾向に。

 
この中で特に気になる傾向が(4)。
 
うち注目すべきは20代です。
20代のパソコン利用者の投稿時の心がけ動向としては、
 

「正確な内容にする」（29.5%）
「人の感情を害さない内容にする」（33.2%）
「人に非難されない内容にする」（24.8%）
「責任が持てる内容にする」（25.8%）
「他人や企業に迷惑をかけない内容にする」（27.9%）

 
と、全体平均よりも20代だけが突出して10%以上低い割合となっています。
［　10代・30-40代：30-40％　／　50-70代以上：50-60％　］
また、全体平均においても4年前からその意識は年々悪化傾向にあります。
 
ひとつの不用意な投稿が、個人の人生や企業全体をも崩壊しかねない時代です。
こうしたインターネット・SNSにおけるモラル意識の向上と、各企業においても従業員の情報セキュリティ教育の徹底など、何らかの対策が急務といえるでしょう。
 

インターネットでの金銭被害の現状

 
『セキュリティ脅威の金銭被害は20代と30代に集中――MS&AD調べ』
（出典：2016年12月14日ITmedia記事より）
 
MS&ADインシュアランス グループのMS&AD基礎研究所は、個人ユーザー1000人を対象に、インターネットで経験したセキュリティ脅威や対応行動、被害などを調査した結果について発表しました。
 
経験した脅威は以下のとおりです。
 

「メールの架空請求」（48.5％）
「ワンクリック詐欺」（29.0％）
「アカウントの乗っ取り（自分のアカウントの乗っ取り）」（26.5％）

 
また、脅威経験者のうち実被害に遭った人の割合は、アカウントの乗っ取り被害で65.7％、従来型ウイルスで62.3％。
 
脅威を経験した場合の行動は、メールによる架空請求や詐欺では「何もせず無視した」との割合が高い一方で、電話による架空請求やランサムウェア、アカウントの乗っ取りでは、相手からの金銭要求に対して支払ってしまったという回答者が目立ったそうです。
 
そのなかでも金銭要求に応じた回答者は20-30代が多く、前述の独立行政法人情報処理推進機構「2016年度情報セキュリティに対する意識調査」でも表れているように、20-30代での情報セキュリティリテラシーの低さが見え隠れしているとも言えそうです。
 

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