【10月第2週】小型配送ロボットが公道を走行する時代の実現へ
新型コロナウイルス感染症以降、人手を介さない配送ニーズが高まっています。特に海外ではすでに公道をロボットが走行し、配送業務を行う事例もあります。そんななかようやく日本でも自動配送ロボットの実現が見えてきました。
出遅れた日本のロボット配送
米国では3月半ば以降、多くの州が外出制限令を出しレストランの店内営業を禁じました。そうした状況のなか、米アリゾナ州のピザ店「ベネチアズ」も、新型コロナの感染対策に苦慮していましたが、4月に米新興企業スターシップ・テクノロジーズ製の小型配送ロボットを導入しました。今回導入したロボットは、ふたのついた荷台にピザを載せ近隣の家庭まで無人で運ぶことが可能というもの。以降、同ロボットは首都ワシントンの食料品店の配達や、カリフォルニア州南部でのタピオカミルクティーの配送でも使われ始めています。
一方で、日本の制度(道路運送車両法、道路交通法)では、(歩道で走行する時速6km以下の)低速で、かつ小型の無人自動配送ロボットについて、制度上位置づけられておらず、公道での実証も行われていませんでした。ようやく4月に、監視・ 操作者が近くでロボットを見ながら追従する「近接監視・操作」型に限り、歩道走行を含めた公道実証を行うことができる枠組みが整備された段階でした。こうした国内事情から、社会的受容性を確認するとともに、収集したデータを踏まえて、継続的なサービス提供が可能となるよう、「遠隔監視・操作」型の公道実証を早期に行い、公道走行の実現が望まれていました。
そんななか、日本でも実用化にむかうべく5月14日の「未来投資会議」のなかで、当時の安倍内閣総理大臣(元)は、「宅配需要の急増に対し、人手を介さない配送ニーズが高まる中、低速・小型の自動配送ロボットについて、遠隔監視・操作の公道走行実証を年内、可能な限り早期に実行する。関係大臣は具体的に検討を進めていただくようお願いする。」との方針が発表され、ようやく各関係省庁を中心に実現にむけての動きが活発化しはじめました。
ロボットの自動配送実現に向けて
日本郵便は7日、国内初となる配送ロボットの公道走行実験を公開しました。今回使用する配送ロボットは、ZMP社製の「デリロ」。複数のカメラやレーザーセンサーを利用して周囲の通行人を検出し、自動回避や、障害物手前で停止する機能を備えています。また、声で存在を知らせるほか、道を譲ってもらうようにお願いするなど、周囲の人と共生でき、安全に走行することを目指して開発されたロボットです。
今回行った実証実験では、東京都千代田区の東京逓信病院で郵便物を受け取って出発。搭載したセンサーやカメラで人や障害物を避け、信号の色も見分けて交差点を横断。歩道を約700メートル走って麹町郵便局の駐車場まで届けました。実験にあたっては、事前に原付きナンバーを取得し、警察当局などの許可も得てのものですが、将来は個人宅やオフィスへの配送にも活用したい考えです。
また、このような公道などでの自動走行ロボの実証実験需要に応えるべく、損害保険ジャパンは、自動走行ロボットの実証実験中のリスクに備える「自動走行ロボット専用保険プラン(実証実験向けオーダーメイド型)」提供を、実証実験を行う事業者などを対象に始めました。ロボットが歩行者をけがさせた時の治療費、サイバー攻撃を受けた時の損害などを補償するというもの。独自補償として、ロボットを遠隔操作している最中に事故で相手方が死傷し、遠隔操作していた人が刑事責任を追及された場合の弁護士費用の支払い補償なども用意しています。
日本国内では、完全自動のロボット配送実現までにはまだまだ先ですが、屋内飲食施設における配膳ロボット活用などはすでに始まっています。コロナ禍において加速した感のある自動配送ロボットですが、将来的にはこうしたロボットと人間との共存が当たり前の社会となることでしょう。
『郵便物、ロボットが走って届けます 公道で初実験』
(出典:2020年10月7日 朝日新聞記事より)
『「自動走行ロボット専用保険プラン」損保ジャパンが発売』
(出典:2020年10月05日 ITmedia記事より)
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